食のそもそも話 70 ✳︎ 露地栽培とハウス栽培
【前説】
食のそもそもシリーズは2023年2月にスタート。
ほぼ毎週1話ずつ、野菜のあれこれページに綴っています。
内容は、野菜や調味料の目利きとその仕組みについて整理しています。
食の ” そもそもの知識 ” をみなさまと一緒に手に入れたら、新しい社会が見られるだろうと信じています。
このシリーズはその第一歩。
ぜんぶが書き終わったら、これを脚本にして、動画または音声で発信していく予定です。
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【なにがしたい?】
このシリーズは誰に向けて書いているのでしょうか?
答えは、たぶん今は誰に向けても書いていません。
文字を読んでもらうことはハードルが高いと思っているのです。
ですので、これは未来の動画のための脚本づくりです。
食のそもそも※ をここに整理して、自問自答を繰り返し、解らない点はあらためて勉強して、また整理して、そうやってひとつの揺るぎない ” 食のそもそも ” を築くこと。
それがこのシリーズの目的です。
※ 土のこと、タネのこと、微生物のこと、農薬や化学肥料、微生物やミネラル、海と塩とニガリと身体、固定種とF1種、自家採種、発酵、遺伝子組み換え、ゲノム編集etc.
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食のそもそも話 70 ✳︎ 露地栽培とハウス栽培
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14年前 (当時30歳)のボクは八百屋になりたてで、野菜のことは何も知りませんでした。ほうれん草と小松菜の見分けもつかず、ニンニクの剥きかたも答えられませんでした。
そんなボクが八百屋の面白さを感じて、止まらなくなり、八百屋塾に通い始めて数年後、露地栽培とハウス栽培のことである納得の話を聞きました。
昔の野菜は美味しかった、今の野菜は栄養が減った、そうした話の裏には露地栽培とハウス栽培のちがいもひとつの理由だとするお話でした。
このエピソードはどこかですでに書いた様に思いますが、さらに詳しく整理するつもりで書きます。
昔はハウス栽培などなく、みんなが露地栽培でした。
先に言葉の説明が必要ですね。
露地 (ろじ)栽培は、いっぱんにボクらがイメージする畑です。太陽の下、雨も風もうけながら自然の影響をうけながらそだつ畑です。
一方、ハウス栽培は施設栽培とも言われます。
ビニールハウス、ガラスハウス、そうした人工的につくり出した空間で野菜を育てます。
(温度、湿気を調整できて、虫の侵入や風も防げる)
それでさっきのお話。
昔の野菜は美味しかった、今の野菜は栄養が減った、は半分は本当だけれど、半分はちがうと言われました。
つまり、ハウス栽培は太陽の光が弱くなります。
太陽の光が弱くなると、紫外線も弱くなっています。
紫外線は植物にとって毒なので、対抗しようとして栄養をつくりだすのだそうです。
つまり、太陽をたくさん浴びている露地栽培の方が強い紫外線を浴びてしまうために対抗して強い栄養を作り出す。
そうした対比のお話でした。
ただ、この話には注意点もありますね。
それは野菜ぜんぶに当てはまることではないと思うのです。
キャベツ、白菜、大根、にんじんなど大型野菜はみんな露地栽培のはずです。
ハウス栽培をするのは、まずはトマト (トマトはほとんどがハウスでは?)、それに胡瓜や茄子もハウス栽培が多いと聞きます。
トマトだけは例外かもしれませんね。
水が少ない方がうまく育つと言われるトマトですから、これは雨水を防ぐため、というのが1番の目的のはずです。
胡瓜は、本来夏の野菜ですから、冬場の胡瓜はハウス内を暖房で暖めながら育てると聞きます。
茄子なんかは外で育てているイメージがありますが、ハウス栽培も多い様ですね。
そうした訳で、ぜんぶの野菜に関わることではないのかもしれませんが、無農薬やタネのこととは別に、露地栽培なのか?ハウス栽培なのか?そうした視点も片隅に置いておいても良いかと思います。
次回は、露地栽培と植物工場について書いてみます。
2024年10月12日 月田商店 月田瑞志