食のそもそも話 41 ✳︎ 「にがり」って何だろう?

「にがり」は古くから豆腐を固める材料として使われて、さらには「健康に良い」として近年では料理や飲み物に数滴まぜる商品も出ています。
 
 
 
「にがり」はボクの知る限りでは ” 最強 ” の健康食材です。
 
 
 
ですが、ひとくちには説明できないところもありますので、にがりを2種類に分けてみます。
 
 
 
▪️豆腐を固めるタイプの「一般にがり」(今回)
▪️最強の健康食材としての「最強にがり」(次次回あたりに解説)
 
 
 
ボクが健康をうたう場合は特に「最強にがり」のことを想うのですが、それは次次回あたりに触れるとして、今回は「にがり」そのものの認識を整理しましょう。
 
 
 
「にがり」は海水から塩を取り出した残りの液体です。
海水を煮詰めたりして塩分濃度が上がっていくと、海水に含まれているミネラルたちが「我慢できない!」とそれぞれに結びついて結晶になって釜の底に沈み出します。
これが塩です。
はじめに鉄系の塩、次にカルシウム系の塩、そして塩化ナトリウム(しょっぱい主成分)、つぎにカリウム系の塩、マグネシウム系の塩、そうやって順番に塩として結晶していきます。
 
 
 
このとき、マグネシウムを全部塩にしてしまうと塩が苦くなってしまいますので、途中で火を止めて、沈んだ塩と上澄みの海水を分けます。
 
 
 
この ” 上澄みの海水 ” が「にがり」です。
 
 
 
海水には80種類以上のミネラルが含まれていて、実は塩として取り出せる(結晶になる)のは20数種類ほどと言われています(ギネスブック)。
 
 
 
つまり60種類ほどのミネラルは塩にはならずに液体のまま、ということになります。
 

 
この書き方をしてしまうと海水が「塩」と「にがり」に完全に分かれてしまい、塩にはミネラルが無い様にも感じてしまうかもしれませんね。
 
 
 
ですが、実際にはちがいます。
塩にもちゃんと液体の60種類のミネラルが表面についています。
 
 
 
次回は「にがり」はどこにある?を整理してみます。
 
 
    2024年2月2日 月田商店 月田瑞志