食のそもそも話 46 ✳︎ 土と野菜(序章)

 

今回から土のそもそも話に移ります。
農家さんの体験談、自分の目で見たことを中心にしたいのですが、テレビや本で得た情報も混ぜさせてください。
1次情報と2次情報が混ざりますが、農家さんにも相談してその体験談と照らし合わせていきます。
 
 
実は土の話を書こうとすると、その順番をいまいち決められません。
ですのでひとまず書き進めていって、未来順番を修正します。
 
 
今回は土のチカラを感じたエピソードをひとつ。
それを皮切りにします。
 
 
2020年の秋のこと。
九州で里芋の病気が広がったと騒がれていました(正確にはその前の年から?)
里芋の仲間だけに感染する疫病(※ )とのことでした。
空中感染するため病原菌が風に乗って広がり、それは関東にも広がり、埼玉県日高市でも特定の農薬を使うように農協から指導があったそうです。
日高市も里芋の大きな産地です。
 
 
※ 学名 : Phytophthora colocasiae (フィトフトラコロカシェ)
 
 
そんな折、日高市の横山秀男さんを訪ねると「里芋が今年は大豊作だ」とおっしゃいました。
そこには緑色の太く元気な茎が並んでいました。
横山さんも里芋の全国的な状況は存じていて、隣を指さしました。
そこには茎が茶色く枯れた里芋畑がありました。
お隣の農家さんの畑でした。
 
 
帰り道、埼玉県道126号に沿って車を走らせていると、両側に面々と並ぶ里芋畑がすべて茶色くなっていました。
「全滅」という言葉が浮かびました。
 
 
農薬と化学肥料を使いつづけている畑と、20年自然体でやってきた畑。
そのちがいを最初に魅せてくださったのが横山さんの畑でした。

土のちがいはこのエピソードだけでも伝わるかもしれません。
ですが、その ” 中身 ” を知ることが野菜選びの ” 目利き ” になります。
 
 
次回から少しずつ書いていきます。