食のそもそも話 69 ✳︎ 旬を目利きするもうひとつの視点『場所によって温度がちがう(後編)』山の畑は別世界

 

【前説】
食のそもそもシリーズは2023年2月にスタート。
ほぼ毎週1話ずつ、野菜のあれこれページに綴っています。
 
 
内容は、野菜や調味料の目利きとその仕組みについて整理しています。
(14年前の何も知らなかったボク自身に説明する様に、書いています)
 
 
食の ” そもそもの性質 ” をみなさまと共有して、「社会をもっと面白く豊かなものにしたい」というのがボクの野心です。
このシリーズはその第一歩。
ぜんぶが書き終わったら、これを脚本にして、動画または音声で発信していく予定です。
 
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【キーワードの説明】
旬(しゅん)・・・その野菜が自然に育ちやすい時季。元気に育つだけでなく、たくさん実りをくれます。舌にも美味しく、身体にもやさしく、お財布にも嬉しい。旬を意識するだけで人生が豊かになると信じています。
 
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さて、63〜67では旬の ” 4つのメリット ” を書いてきました。美味しい / 安い / 栄養価が高い / 安全(率が上がる)
 
 
そして旬の野菜の見極め方を62に書きました。
そして追加の視点として68に日本の東西南北で温度がちがうことを書きました。
今回は68の続き、高低差で温度がちがうことについて書いてみます。
 
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『場所によって温度が違う(後編)』
日本は山が多い
 
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100メートル高くなると、温度が0.5度〜1度下がると言われています。
 
 
真夏でも山の朝は寒かったという経験、あるかと思います。
 

日本は山が多いですし、山の中で畑をしている農家さんもたくさんいます。
 
 
山の低い温度を活かして、長野県では夏にもレタス(旬は春、秋)が採れて、群馬県では夏でもキャベツ (旬は冬、春)をたくさん育てています。
月田商店でも10月に山梨県の山の上からトマトやトウモロコシが届きます。
 
 
今暮らしている場所(おそらく都会)と、山の世界とではちがいがあることを想像して、
そうやってスーパーマーケットや八百屋の売り場を見てみます。
旬の野菜はどれだろうと、意識してみます。
 
 
今が秋の始まりなら、山の上は夏の終わり。
今が春なら、山の上はまだ冬でしょう。
 
 

旬(しゅん)は、その野菜が無理なく自然体で育ちやすい季節です。
 
 

夏の始まりに春の野菜を買うとしたら、山の野菜が旬になりますし、
夏の終わりに秋野菜を買うときも、山の上の野菜が旬だと言えます。
 
 
そうやって、今ご自身が暮らしている場所だけでなく、売り場には『山の ” 温度 ” が並んでいる』と考えて旬を探してみても楽しいと思います。
 
 
次回は、露地野菜とハウス野菜について、少し詳しく書いてみます。
 
 
2024年10月5日 月田商店 月田瑞志