伝統野菜(固定種 / 在来種)ってなんだろう?

答えは、生っ粋の野菜のことです。

「 はてな?」

雑種になっていない野菜のことです。

「はてな?」

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今主流の野菜たちは、たいていが雑種(ハーフ)の野菜です(雑種にする理由は後半に書きました)。それに対して、ごくわずかですが今も生っ粋の野菜を育てている農家さんたちがいます(日本の農家さん130万人中で200人いるかいないかでは🧐)。

ハーフなのか、

生っ粋なのか。

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生っ粋 = オリジナルではありません。生っ粋にも種類があります(全国各地の伝統野菜)。

生っ粋について、ぼくたち人間に例えてちょっと考えてみましょう(大事なたとえ)。

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人間は元はみんなアフリカ人だったとされています(オリジナル)。アフリカ人が北に引っ越して白人になり、アジアに引っ越して黄色人種になった。

さらにそれぞれの場所で結婚して子供を産んでを繰り返して、ロシア人やフィンランド人、タイ人や日本人になりました。

生っ粋のロシア人、生っ粋の日本人、さらには生っ粋の江戸っ子、博多っ子。

こうして、ひとつのオリジナルからいろいろな「生っ粋」が出来上がりました。

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話を戻して、野菜も同じです。

ヨーロッパの人参(オリジナル)が日本に引っ越してきて、日本の人参になり、さらにそれぞれの場所でタネを採って蒔いてを繰り返し、黒田五寸人参や筑摩野五寸人参など、それぞれの場所で生っ粋になって特徴が分かれていきました。これが伝統野菜(固定種 / 在来種)です。

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※固定種と在来種のちがいを知るには「母本選抜」というキーワードが必要ですので、ここでは同じものとして読み進めてください🌱

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さて、では雑種(ハーフ)の野菜とはなんでしょうか?

文字通り、ちがう生っ粋同士を結婚させています。

また「はてな?」かもしれません。

世界の野菜、日本のスーパー、八百屋、市場、ここに並ぶ野菜のほとんどは雑種の野菜です(これをF1種と呼びます)。

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では、なぜ野菜を雑種にするのでしょうか?

雑種にするメリットが3つあります。

1つ、カタチがそろいます。生っ粋の伝統野菜はある程度同じカタチになったとしても、やはりバラバラです(参照 : 月田商店インスタグラム / 2021年11月30日投稿 / ベジガーデン祐喜さんの黒田五寸人参)。ところが、種類のちがう人参を結婚させて雑種にすると、カタチがそろうのです。これをメンデルの法則とも言います。

2つ、早く育ちます。雑種にすることで早く大きくなるということが起きます。理由は解りませんが、遠縁であればあるほど、この力は強く働きます。むかし、日本のカブにヨーロッパのカブを結婚させていたそうです。

3つ、特徴が混ざります。たとえば小松菜とちんげん菜を結婚させることで、小松菜にちんげん菜の特徴を取り入れることが出来ます。こうしてカタチを整えたり、ほかの例では夏でも育つ大根ができたりします。

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雑種(F1種)にするメリットを3つ書きました。

◾︎ カタチがそろう

◾︎ 早く大きく育つ

◾︎ 旬をずらせる

つまり、「便利」になるのです。

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今のきゅうりは20センチにそろっていたりします。これはカッパ巻きの海苔のサイズに合わせているそうです。

また、大根もLサイズは1箱に10本で10キロ、2Lサイズは8本で10キロ。それを何百ケースとトラックに積まれて運ばれていきます。

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むかしの八百屋はザルと秤(はかり)で野菜に値段をつけていましたが、今では1本いくらでポップを置けば済むようになりました。

雑種(F1種)は「便利」なのです。

では、なぜ今でも伝統野菜(固定種 / 在来種)を育てている農家さんが残っているのでしょうか?

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理由は「特徴がある」からです。

小松菜は小松菜の味、ちんげん菜はちんげん菜の味、黒田五寸人参も香りが強いです。

雑種(F1種)を必ずしも駄目だとは言いませんが、目的が「便利」なので、味は二の次になりがちです。

ところが、伝統野菜(固定種 / 在来種)を育てている農家さんは第一に「味」をあげる方が多いです。

そのためか、月田商店であつかう野菜の中でも、お客様から反響がある野菜はたいていが伝統野菜(固定種 / 在来種)だと感じています。

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黒田五寸人参、後関晩生こまつな、富士宮重だいこん、中葉しゅんぎくetc。

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月田商店があつかう野菜は時季にもよりますが7〜8割方が伝統野菜(固定種 / 在来種)です。

野菜の個性を大切にしています。