昔ながらの野菜ってなんだろう?

「むかしの野菜は美味しかった」と、よく耳にしたり本で読んだりもしました。

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月田商店を始めて1年が経ち、自分の舌やお客様の反応を聞いて確信したことは、「ここにある野菜たちがそうなのだ!」ということでした。

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昔と今の3つのちがい

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① タネがちがう

② 土がちがう

③ 季節がちがう

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① 江戸時代の野菜は今では固定種や在来種と言われる野菜でした。伝統野菜とも呼ばれます。戦後になり多くがF1種の野菜に変わりました。

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② 江戸時代の土はミミズや虫や微生物がたくさん暮らしていました。微生物が枯れ葉やミミズのフンを食べてミネラルをつくり、虫の死骸を分解してミネラルをつくり、そのミネラルを微生物が野菜の根っこに運び、野菜の根っこにも微生物が暮らしてミネラルを野菜に与えていました(微生物は野菜がつくる糖をかわりにもらっていました)。化学肥料の登場でミネラルは化学のチカラで野菜に提供するものになりました。化学肥料は直接野菜の根に吸収され、野菜は早く大きく育ちますが、微生物のエサは無くなりました。

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③ 江戸時代の野菜はその性質にあった時季にだけ育てられました。太陽をたくさんあびて、その紫外線に対抗するために栄養を蓄えました。ハウス栽培やF1種の登場で、今では1年を通して同じ野菜がつくられるようになりました。ハウス栽培では紫外線が弱いため野菜は紫外線に対する必要が薄れ、F1種で旬をはずして野菜をつくるようになりました(旬をはずした方が農家さんとしても稼げるためです)。文部科学省のデータによると、たとえば旬の時季のほうれん草は季節外と比べてビタミンEが3倍もあったそうです。

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