よもやま話 その1 「F1種の誤解①あくまで自然の原理を活かしている」
月田商店は8割〜9割は固定種や在来種などの伝統野菜ですが、一部 F1種の野菜も扱っています(世間はほとんど F1種)。
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F1種は遺伝子組み換えではありません。
メンデルの法則を農業に活かしたタネづくりです。
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大辞林によると、、、
メンデルの法則・・・メンデルが1865年に発見した遺伝の法則。親の形質は遺伝子によってある規則性をもって子や孫に伝わるというもの。優性の法則・分離の法則・独立の法則の三つの法則からなる。
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笑汗、よく解らないですよね。
メンデルさんは様々なエンドウを育てて花を咲かせて、その花粉をチョンチョンと指先などにとって他のエンドウのめしべにチョンチョンとつけてあげた(受粉させた)。
こうして蜂や風ではなく、意図的にちがうエンドウを掛け合わせて様子を調べたのです。
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そこで発見したのがメンデルの法則。
同じエンドウではなく、仲間だけれど違うエンドウの花粉がついたとき(掛け合わされたとき)、そこから採れたタネを畑にまくといっせいに特徴がそろう。
育つスピード、カタチ、大きさ、これらの特徴が畑一面にならぶことを発見したのです。
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日本では東京オリンピック(1964年)の会場つくりに人手を全国から集めました。
そうして全国の農家さんは人手不足になりました。
そんな折、 F1種のタネは早く大きく育つ。おまけにサイズがそろうために箱にも詰めやすい。
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昔の八百屋は量り売りだったそうですが、 F1種の登場で大根もキュウリも「1本いくら」でポップを書けるようになったのですね。
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F1種というのは悪い言葉ではありません。
メンデルさんが発見した植物の性質のひとつです。
※ 問題なのはむしろ F1種の活用のしかた、つまり「味がないがしろに?」「雄性不稔」
このあたりはまた別の機会に。
2023年2月4日 月田瑞志