食のそもそも話 5 ✳︎ 「F1種はタネが採れない」は半分まちがい
F1種に対して否定的な言葉を聞くときがあります。
よく耳にするのは「 F1種は2代目のタネがとれないのでしょう?」という言葉です。
これは半分正解で、半分はまちがいです。
今日は ” まちがい” の方を書きます。
(半分正解の方は食のそもそも話 3をご参照ください)
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F1種の誤解 採れないのではなく、採らないのです
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実際に知り合いの農家さんは10年ほど前ににタネメーカーから買ってきたF1種のタネを畑にまいて、そこからタネを採って再び固定種にしています(先祖返り)。
F1種でもタネは採れます。
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それではどうして現代の農業ではタネを採らないのでしょう?
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理由は、 F1種から採った2代目のタネを畑にまくと、こんどは品種がバラバラになってしまうからです。
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食のそもそも話 1で書いたメンデルの法則の続き、「メンデルの分離の法則」です。
1代目が便利にそろう反面、2代目はバラけてしまう→ 出荷には不便すぎる。
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F1は1列まるごと収穫できますが、F2は何が出てくるか分からない。
なので農家さんは毎年タネを買うのです。
農家さんは効率を求めてF1種のタネを買っているわけですので、2代目のタネを採る理由がないのです。
2023年10月3日 月田商店 店主 月田瑞志