よもやま話 その5 雄性不稔だいじょうぶ派の意見①「多様性のかくとく説」
生まれたときから雄シベがクシャクシャ(あるいは無い)ものを雄性不稔(ゆうせいふねん)と呼びます。
雄性不稔は遺伝子のバグなので危険とする意見(よもやま話その4参照)に対して、「植物としての多様性」に注目する考えがあります。
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たとえば浜大根という大根は高い割合で雄性不稔があるそうです。
他の野菜では数万株、数十万株に1個見つかるような雄性不稔ですが、少なくともこの浜大根ではありふれて雄性不稔が見つかる様です。
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この現象はもはや遺伝子のバグではなく、遺伝子を多様化させて全滅を防ぐ「生き残り戦略」だとも考えられます。
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数年前、世界中でバナナが全滅するかも!?という噂が流れました。
世界中のバナナのほとんどはキャベンディッシュという1つの品種です。
そのキャベンディッシュに特有の(?)病気が世界中に蔓延するかもしれないと言う様な噂でした。
同じ種類しか存在しないと、いざという時に絶滅してしまいます。
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ミジンコは雌(メス)がメスを産む「100%メスだけの社会」ですが、池が枯れてくると雄(オス)を産んでSEXによって多様化するそうです。
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SEX = 多様性のかくとく
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35億年ほど前までは生き物はすべて単細胞生物なる者で、自らコピー(分裂)することで数を増やしていたそうです。
アメーバも単細胞生物です。
彼らがボクたちのご先祖様だと言われています。
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そして35億年ほど前、海に変化が起きました。大きなひとつの大陸が今のカタチ(ユーラシア、北アメリカ、南アメリカ、オーストリアetc )に分かれて海がいくつかに分断されました。
太平洋、大西洋、日本海、地中海など、その海流などの影響で微妙に栄養に差ました。
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ここではじめて自らをコピーする生き方(単細胞生物)から他の者と交わる生き方(多細胞生物)になった。
これがSEXの起源だと言われています。
男(オス、雄花)と女(メス、雌花)がいるのは「いざという時に絶滅しない」ためなのですね。
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という訳で、雄性不稔も「多様化する戦略」かもしれない。
というのがひとつの意見です。