食のそもそも話 43 ✳︎ 塩でミネラルが摂れるだろうか? にがりの本領(前編)
前回、前々回と、「にがり」の正体、「にがり」はどこにあるのか、に触れてきました。
それでも、、まだ本質に迫ることは出来ていません。
今回と次回で、にがりの「本領※ 」を書かせて頂きます。
※ 本領(ほんりょう)・・・他にまねのできないような、独特の性質
塩にこだわる方たち(ボクもですが)から何度か聞いた言葉。
「良い塩を食べればミネラルを摂れる」
実はこれは半分本当で、半分まちがいです。
自然海塩(海のバランスを残した塩)を暮らしに取り入れることはもちろんミネラル摂取になるので、不足しがちな超微量ミネラル群も含めてミネラルを摂ることが出来ます。
それは確かにそうです。
が、
前回、前々回で書いた様に、多くの超微量ミネラルたちは結晶にはならず、つまり塩にはならず、液体のままの姿で一部は塩本体にまとっていて、多くは液体のまま「にがり」として出荷されます。
つまり、不足しがちな超微量ミネラルたちを摂ろうとするなら狙いは「にがり」です。
(ちょっと蛇足)
誤解がない様に触れておきますが、自然海塩を暮らしに取り入れるだけではミネラルがまだ不足していますが、ミネラルを摂る食事の「一部」としてとらえることに意味があると思います。
また、自然海塩はミネラルの並行摂取(栄養素の100人101脚)が起こり、要らないものは排出して必要なものを身体に巡らせる作用がある、とも言われています。
(本題に戻ります)
ミネラルを狙うならば、暮らし全体を整えて、例えば海藻、例えば玄米、例えば良質の野菜、お肉も卵も昔ながらのエサを食べているもの、そうした中に自然海塩も置く。
暮らし全体でミネラルを摂りに行く、というイメージです(※1 )
さて、こんな書き方をしてしまうと、
「難しい、、」
と、静かなため息が聞こえて来ます。
それはそうですよね、食べ物すべてにこだわろうとすると、経済的なこともそうですが、そもそも、どれが?となりそうです。
そこで役に立つのが「にがり」です。
「にがり」には海水のミネラルが豊富に含まれています(残っています)。
ならば、「にがり」をたくさん飲めばミネラルが摂れる!
と、そう簡単に書ければ良いのですが、実は「にがり」にも種類があります。
ミネラルを摂りに行こうとするなら、「最強のにがり」が必要になります(※ 2)。
話が長くなりそうですので、前編・後編に分けます。
「最強のにがり」については来週書かせて頂きます。
※ 1 これを一物全体(いちぶつぜんたい)と表現します。栄養を丸ごと摂るという意味と、自然界のバランスのまま摂るという意味、ふたつの意味があると理解しています。
※ 2 暮らし全体でミネラルを巡らせている方は、それだけでも十分かもしれません。
「最強のにがり」はあくまで食事バランスを整える必要性がある方に向けた表現です。