食のそもそも話 44 ✳︎ 塩でミネラルは摂れるだろうか?「にがり」の本領(後編)

 

 

塩について(また「にがり」についても)様々な誤解があると思います。
海に囲まれた日本がなぜ塩づくりに苦労してきたのか、そして何故か広がった岩塩・天日塩信仰(このふたつにミネラルはほとんど含まれていません)。
 
 
 
ミネラルについてはボクが生涯伝道師になりますので、文字を読むのが億劫な方は不定期に行う勉強会に是非ご参加ください🌱
(動画も視野に入れています)
 
 
 
さて、今回が「にがり」について書きたかった1番のお話です。
にがりにも種類があり、目利きは簡単です。
海水をたくさん濃縮(蒸発)させた最強にがりを見分けましょう。
 
 
 
その前にこれまでの流れをちょっとだけ整理しますね。
何故「にがり」なのか?
 
 
 
(くわしくはアーカイブを)
▪️自然海塩は素晴らしい。
▪️だけれど自然海塩だけではミネラルは足りない。
▪️海藻、魚、玄米、良質の野菜、肉、卵が欲しい。
▪️でもでも!全部そろえるのは難しい、、
▪️そこで「にがり」で補おう🌱
 
 
 
こんな流れですね。
 
 
 
「にがり」は海水から塩を取り出した残りの液体です。
 
 
海水 − 塩 = にがり
 
 
です。
 
 
 
海水には80種類以上のミネラルが含まれていて、ダーウィンの進化論いわく海水から「ご先祖」が生まれ陸に上がったと言われている。
そして今もなお、ボクらの身体の分布は海のミネラル分布と似ていると言われています。
 
 
(ちょっと蛇足)
ミネラルは生きるエネルギーとして使われ、体内に蓄えることも難しいため、日々日々食べ物から補う必要があると言われています。
(空気の8割は窒素ですが、これを直接身体に巡らせることはほぼ出来ないと言われています。空気中の窒素→微生物が窒素をアンモニアに変えて→植物が根っこから吸い上げて→(動物が食べて)→僕らが窒素を食べられる)
 
 
 
(本題に戻り)
海水に含まれる80種類以上のミネラルが全部塩になってくれれば良かったのですが、どうやらそうではないらしい(多くは液体のまま)。
 
 
 
であれば、「にがり」を毎日飲めば良い。
 
 
 
と、なりそうですが、実はそう上手くいかない事情があります。
 
 
 
一般的な「にがり」にはマグネシウムやカルシウムが残っています(※1)。
 

マグネシウムやカルシウムは不足しがちなミネラルのひとつとも言われているので、この「にがり」を摂ることはとても良いことの様に見えます。
 
 
 
が、逆に摂りすぎると良くないとも言われています。
「高マグネシウム血症」「高カルシウム血症」と言うそうです。
100mlのにがりの原液を誤飲して死亡事故になっています。
(このあたりは次回でくわしく)
 
 
 
お付き合いのバランスです。

 
マグネシウム、カルシウム、カリウムなどは、言っても他の食材で摂れます。
コンビニやレトルト食品生活ならいざ知らず、海藻、魚、玄米、肉、卵など、手作りで食事に気をつけている方は必要な分を摂取できている可能性があります。
 
 
 
【大切なのは、超微量ミネラル群】
ここでお話したいのは、今の食の世界でいちばん心配なのは、その先、超微量ミネラル群(約60種)です。
野菜、魚、肉、卵、玄米、サプリメント、皆様が食べているこれらの中に超微量ミネラル群があるでしょうか。
(この目利きは、食のそもそも話をシリーズで読破したら、手に入っていると思います🌱)
 
 

【海には全部そろっている】
難しいことを考えなくても、海には全部のミネラルが入っています。
ただ、海水を飲むわけにはいかず(※2)、マグネシウムやカルシウムを摂りすぎるといけないし、でも超微量ミネラル群は摂りたい。
そんな時には使い分けです。
 
 
 
マグネシウム、カルシウム、カリウムなどが不足していると思うなら、「一般にがり」
 

 
それよりも超微量ミネラル群(約60種)を摂りたいと思うなら、「最強にがり」
 
 
 
ちゃんと具体例を出しますね。
 
 
 
【一般にがりの例 「海の調べ」】
海水を100倍濃縮ものに海の精さんの「海の調べ」があります。
例えれば海水1000リットルが10リットルになるまで煮詰めたときの「にがり」です。
ここにはまだマグネシウムが残っています。
そして超微量ミネラル(約60種)もありますが、最強にがりと比べると10分の1といったところでしょう。
 
 

【最強にがりの例 「海の素」】
次に、海水を1000倍濃縮した「海の素」があります。
こちらは海水1000リットルが1リットルになるまで煮詰めています。
ここにはマグネシウム、カルシウムはほとんど残っていません(結晶化して底に沈む)。
そして超微量ミネラル(約60種)だけが濃縮されたカタチで残っています(一般にがりの10倍)。
 

 
「最強のにがり」とはこうした超濃縮した「にがり」のことです。

 
 
現代の食事では足りないところを、ちょうど足してくれる。
個人的には「健康寿命延命アイテム」と呼んでいます。
 
 
 
【まとめ】
おおざっぱに言えば、にがりの裏の表記を見て、マグネシウムがより少ないものを選ぶことが超微量ミネラル群(約60種)を摂るコツです(※3)
もちろん、日頃の食事でマグネシウムが不足しがちな方は合わせて一般にがりも取り入れると良いと思います。
 
 

※ 1 海水を塩にする過程でマグネシウムを全部塩(結晶化)にしてしまうと苦味の原因になることから、 ” 自然海塩の ” 各メーカーはマグネシウムを途中まで塩にして(マグネシウムは旨味でもある)、途中で釜炊きを止めて上澄みの「にがり」の方に残します。
 
※ 2 身体の塩化ナトリウム濃度は0.85%、海水の塩化ナトリウム濃度は約3%、戦争中の隊長さんが「喉が渇いても海水だけは飲むな!死ぬぞ!」
 
 
※ 3 単位が「mg」で書いてあるものは一般にがりだと思ってください。
最強にがりは単位が「ppm」だったりします。
1000ppm → 1 mg です。
数字が細かくなりすぎたときにppmを使うのでしょう。
 
 
 
さて、にがりの話もこんなところでしょうか。
次回は海の話に補足があれば何話か書かせて頂き、3月頃からは「土の話」「植物の話」夏頃から「発酵の話」秋冬に「遺伝子の話(ゲノム編集など)の予定です。
多分、予定通りにはいきません🙇‍♂️