食のそもそも話 64 ✳︎ 旬の野菜は、安い

 

食のそもそも話はシリーズでほぼ毎週書きつづけています。
読み物をする時間がない方はご無理なさらず (シリーズ完成後は動画発信していく予定です)。
 
これまでを整理すると、タネの話、海とカラダの話、土の話、そして今は野菜のそもそも話を書いています。

61からは旬の話です。
旬のメリットは4つ(美味しい / 安い / 栄養 / 安全)。
63で「美味しい」を書いたので、今回は「安い」を書いてみます。
注)今回のテーマはスーパーマーケットなど一般的なお買い物の時に使える技です。月田商店はそもそも旬のラインナップですので無関係かもしれません。

 
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旬の野菜は、安い
 
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旬の野菜は、出盛りの野菜です。
 
 
ハウス栽培、F1種、農薬&化学肥料、いくらそうした技術の活用でほとんどの野菜が1年を通して育つようになっても、やはり野菜ごとに育ちやすい時季はあるのですね。
  
 
たとえば夏が旬の胡瓜は、朝収穫して、また夕方にも収穫すると言うほど、季節の夏にはたくさん実ります。
市場にも何列も山積みされ、そうなると相場も下がり1本40円や50円で売られたりします(今は色々ありもう少し高いはず→65で書きます)。
 
 
一方で胡瓜は冬も売っていますね。
これはハウス栽培で作られています(トマト、ピーマン、茄子なども)。
冬のハウス栽培では中で暖房を焚いたりして、暖かくして「夏だよ」と錯覚させて育てるそうです。
この場合、もちろんハウスそのものの費用もありますし(1棟で250万円したり)、暖房に使う燃料費もかかります。また65で具体的に触れますが、農薬や化学肥料の使用量も増えて費用になります。
 
 
そうやって、冬の胡瓜は1本120円になることもあります。費用代が入っているのですね。
(月田商店の胡瓜は無農薬&固定種ですので、そもそも高いと感じたらすみません🙏🏻)
 
 
ですので旬の野菜は安いのですが、ここで注意もあります。
逆に、安い野菜が旬とも限らない、ということです。
それは葉物野菜です。
ほうれん草や小松菜は冬が旬なのですが、夏にもSALEされたりしています。
これは、夏は暖かいために育ちやすく背丈だけは伸びてしまい、どんどん出荷されるために起こります。
そうした野菜は安いことは安いのですが、短い日数で無理に育ったためか、ほうれん草も小松菜も、茎が細いのに筋っぽく、甘味はなくて、苦味がある。
逆に冬にゆっくり育ったほうれん草や小松菜は茎が太いのに柔らかく、甘味があり苦味は少ない。
そうした体験、あるのではないでしょうか?
 
 
ですので、旬の野菜は安いとは言え、やはりお値段だけを見るのではなく、旬を理解しておくことが大切です。
 

前回同様、旬の見分け方を整理しておきます。
(コピペです🫡)
 
 
本当にざっくり書きますが、
食べる部分が ” 空中 ” にある野菜は夏が旬、
食べる部分が ” 土に触れている ” 野菜は冬が旬、
そんな風に一度考えてみて欲しいです。
 
 
例えば、夏が旬の野菜は
なす、胡瓜、ピーマン、トマト、オクラ、ゴーヤ、えだまめ、唐辛子、大葉(しそ)、エゴマの葉
、モロヘイヤ、ツルムラサキ、エンサイ(空芯菜のこと)などです。
大葉やエゴマの葉も、茎は地面から生えていますが、食べるのは葉っぱだけ、つまり空中の野菜です。
モロヘイヤ、ツルムラサキ、エンサイも食べるのは茎の先の柔らかいところと葉っぱです。
根っこや根元も食べられるほうれん草や小松菜(どちらも冬が旬)とはちがいます。
 
 
 
一方で冬が旬の野菜は、
ほうれん草、小松菜、春菊 (秋、春)、カブ (秋、春)、大根、サツマイモ、ジャガイモ、にんじん、ごぼう、生姜 (秋冬)。
これらは土の上下に触れている野菜です。
例外でブロッコリー、カリフラワーも冬が旬です。
 
 
 
夏は地面は暑すぎて、冬は空中は寒すぎるのでしょう。
 
 
 
他には、豆科の野菜はまちまちです。
そら豆やスナップえんどうは春先に、インゲンは初夏〜秋にかけて、枝豆は夏〜秋、月田商店(埼玉県、千葉県、山梨県、岐阜県)ではそんな感じです。

 
 
また、カボチャは夏〜秋が旬だと言われています (冬は貯蔵がきく品種)。
 
 
 
ひとまずザックリの目利きとしては、空中か、土に触れているか、それを目安にすると分かりやすいかと思います。
 
 
2024年8月17日 月田商店 月田瑞志