出会い

岐阜県高山市は古き良き街並みが有名です。

東京を早朝に出発し5時間半かけて車を走らせ、最後は長い山道を抜けてたどり着いた街は、江戸時代のような木造の街並みでした。lanpsさんに無事に到着し改造のために車を1日預けました。その日の夜は温泉宿に予約をしてあり、夕方までは観光しながら目を癒すつもりでいましたが、八百屋の運命が面白い方向に行きました。

まずは腹ごしらえと思い観光街でお店を探しましたが、コロナの影響や火曜日は定休も多いそうでなかなか昼食にありつけず、地元の喫茶店を選びました。観光よりも暮らしに触れたい僕には、これがとても良い結果になりました。高山駅前の南天さんで昼食をとりながら、店主の横超さんが気さくに話しかけてくださるのでいろいろと話しがはずみました。10年間八百屋で修業していたこと、ずっと独立をひとつの目標にしていたこと、そのために移動販売車の改造で高山に来たこと、八百屋としてやりたいことなど、たくさん話しました。そうすると、裏から本を3冊持ってきて、「これに農家さんが載っているよ♪」「それとね、目の前の商工会議所の伝統工芸品コーナーに伏見さんという方がいるから是非訪ねてごらん」。伏見さんはこのあたりの農業関係の顔らしい。その情報を得て、さっそく伏見さんに会いに行きました。

伏見さんは初めて訪れた僕に第一声で「よーく訪ねてくれたなぁ!」と明るく元気に応じてくださいました。すぐに椅子を出してくださり、30分ほどたっぷりとお互いの考えを話すことができました。僕が嬉しかったのは、伏見さんの口から「土づくり」に関係する言葉があふれてくることでした。野菜づくりには土づくりが欠かせない、そのために微生物も大切だと話すと、伏見さんも共感してくださいました。そして高山市のこだわりの農家さんを紹介してくださることになったのです。

観光に行かず、地元の喫茶店に入って本当に良かった。

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