食のそもそも話 12 ✳︎ 固定種 / 在来種という言葉
そもそも話その8では固定種は「味が濃い」「特徴が濃い」そしてタネをまくと同じ野菜が育つことを書きました。
今回は固定種という言葉と在来種という言葉を使い分けている理由について書いてみます。
味の話ではなく、言葉の話です。
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固定種は「固定」種です。
つまり野菜の品種を固定しています。
そのタネを翌年にまくと同じものが育ってくることを農業の言葉で「固定する」と表現します。
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その固定の度合いで、
しっかり固定されている→固定種
ある程度固定されている→固定種
ざっくり固定されている→在来種
こんなイメージです。
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しっかりと固定しようとするなら、たとえば交雑しやすいアブラナ科なら、白菜とカブはかなり離れた場所(何キロも離れた山奥)で育てたたりetc.
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ある程度固定しようとするなら、同じ畑の中で何株かだけネットをかぶせたり(ミツバチの行き来を防ぐ)etc.
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ざっくり固定で良ければ、放置して自然に任せたりetc.→それでも確率的には同じものが大半育っていきます。
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固定種と在来種はタネをつないでいる点では同じです。
その固定度合いで表現がちがうのです。
固定種のタネはタネ屋さんが農家さんに販売できるタネで、在来種のタネは親戚の野菜が交雑している可能性があるためタネとして販売することは難しい。
そうした意味で言葉を使い分けています。