食のそもそも話 18 ✳︎ タネはどうやってできる?
その1〜14でタネには大きく2種類あることをお伝えしてきました。
▪︎ F1種 → 現在主流、コスパが良い
▪︎ 固定種 → 絶滅危惧種、美味い (特徴濃いめ)
✳︎
どちらも自然のタネです。
✳︎
F1種は雑種です。
いくつかの野菜を掛け合わせています(掛け合わせる理由は食のそもそも話その7をご参照ください)。
例)小松菜 × チンゲンサイ→F1種の小松菜
「メンデルの法則(150年前に発見)」を人間が農業に活用したものです。
もう一つ「雄性不稔※ →花粉ができない(1940年頃発見)」を活用しています。
※ 雄性不稔の賛否は食のそもそも話その3〜6をご参照ください。
✳︎
固定種は純血種です。
その野菜からその野菜のタネをとっています。
例)後関晩生こまつな→後関晩生こまつな
くわしくは食のそもそも話 8 をご参照ください。
✳︎
今回は、そもそもタネがどうやって出来るのか?
胡瓜を例にとって考えてみます。
花が咲いて、花粉がついて、花の付け根に小さな小さな胡瓜ができて、少し大きな胡瓜になります。
ボクたちが普段食べているのがこの段階の胡瓜です。
ですが、これは実は中学生か高校生くらいの胡瓜です。
胡瓜には柔らかいけれどタネがありますね。
これはタネとしてはまだまだ未熟で、タネと言って良いかどうか、そのくらいのタネの素です。
普段意識しないで食べています。
胡瓜を収穫して(ツルから切り離して)しまうと胡瓜としての生命は途絶えます。
そこから先、収穫しないでさらに育てていきます。
大学生、社会人を経て、緑色の胡瓜は大きく大きくなっていきます。
あなたのヒジから指先くらいの大きさになる頃、色は黄色くなります。(黄色い瓜→黄瓜→胡瓜)
黄色い肌の部分部分は腐りだし、胡瓜は命をまっとうします。
そして、ここまで来たとき、中の ” タネの素 ” が ” タネ ” になります。
命がつながるのですね。
✳︎
このタネをとっておいて次の季節に畑にまく。
昔の農家さんはみんなそうしていました。