食のそもそも話 番外編① 月田商店は野菜の「無調整化」に挑戦しています

月田商店のやることはすべて、食の世界を変えるという信念で行っています。
違う考え方に価値があると信じています。

そのひとつとして野菜の「無調整化」に挑戦しています。

” 調整 ” というのは農業用語です。
土をあらう、虫食い葉をとりのぞく、袋にいれる、販売先を探すetc
農業の仕事の実に半分ちかくは調整時間とも言われています(夜な夜な家で行うとも)。

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特に月田商店が扱っている野菜は本来なら調整時間を要するものが多いです。

▪︎ 固定種→規格にそろわない(袋詰め難、収穫難)
▪︎ 無農薬→虫食い、葉先の枯れetc
▪︎ 無肥料栽培→小粒の玉ねぎetc説明が必要
▪︎ 市場やJAには頼れない※→自身で販売先を探す
etc

※ 市場流通では有機JAS認証以外は二足三文で扱われてしまうこともあります(価値の口頭伝達が難しい)。

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そうなると一般の常識では月田商店が扱う野菜には高い値段がつきます。
ですが、月田商店の野菜は「その品質と比べると安い」と言われます。
それは調整時間の無い世界を信じているからです。
未来を信じて価格設定をしています。

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野菜は畑の姿にちかい状態でもらって来ます。
土がついたまま、虫食いも許容、バラでもらってきます。
調整時間が減るので農家さんは喜んでくださいます。まだ道は途中ですが、できる限り、農家さんには ” 野菜を育てる ” ことにより専念して欲しいと望んでいます(高品質の好循環)。

また、光が丘にバラで運ばれた野菜をそのままお客様が手に取り、レジで量っています。

袋詰めの手間が無いため販売価格を抑えられます。

土はお家で洗い(鮮度も良い)、虫食いや先枯れ葉を食べられるか捨てるかはキッチンで判断etc。
特にキッチンで判断して頂けることは可食部分が畑で捨てられずに人の身体に入るので、社会として効率が良いと信じています。

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こうして省ける時間や手間を省いて、食べられる部分を捨てることなく食べることで、これまでに無い流通が生まれ、味と健康を第一に考えた高品質な野菜の受け皿が出来上がり、その広がりが未来の農業と街との関係に道を示すと信じています。

2023年9月16日 月田瑞志