食のそもそも話 49の補足 ✳︎ ミミズや虫や微生物の「耕すチカラ」を魅せた実験動画

 

食のそもそも話はシリーズで150〜200話をイメージしながらほぼ毎週1話ずつ書いています。
(野菜のあれこれコーナーに綴っています)
これらは八百屋の視点で自然科学を見つめて、伝えて、子育てママたちの「目利き(食材、調味料)」につなげることが出来ないか、という実験のひとつです。
全部書き終えてから、これを脚本に動画解説を始める予定でいます。
 
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さて、46からは土の中を見つめていますが、今回は49の補足になる様な動画を見つけたので紹介させて頂きます。
 
 
YouTubeで「Bioturbation with and without soil fauna」
と検索すると出てきます。


 
 
土の上に落ち葉を並べて15週間の様子を早送りの1分で魅せてくれます(約15万倍速)。
 
 
左側は最初にオーブンにかけて生きものを死滅させた状態(それでもカビの胞子だけは生き残っていたとのこと)。
15週間経ってもカビが少し生えるだけで全体としてはほとんど変わらない様子がわかります(※ )。
 
 
一方、右側は自然界のままの状態でスタート。
生き物たちが行き来しながら、落ち葉のカサが減って土と混ざっていく様子がわかります。
さらに、ミミズが地下を行き来して土に細いトンネルが出来ていることもわかります(※ 2)
これが土を柔らかくして、空気や二酸化炭素が行き来できる隙間にもなってくれる、ということでしょう。
エサがあり、空気もある。
目に見えない微生物たちも悠々と暮らしているだろうと思います。
こうした土が、野菜を栄養満点に育ててくれると信じています。
 

 

※1 公園のすみっこの落ち葉を日々眺めていても、冬に落ちたはずの落ち葉が6月になった今も乾いた状態で残っています。
(目黒区大橋の某遊園にて観察)
多くの公園の木々の周りには農薬を使っているものかもしれません(微生物があまり居ない可能性)。

先日、横山秀男さんの畑の隣の林(ブナ、ナラ、杉)で腐植土集めを手伝わせて頂きましたが、乾いた落ち葉を軽くめくると見事に湿った腐植土がありました。


 
 
※2 「ミミズによる腐植土の形成(ダーウィン著 渡辺政隆 訳)」によると、湿った土地ではミミズは1エーカーあたり1年間で10トンの土を呑み込んでは地上でフンと一緒に出しているそうです。
ボクらにわかりやすく計算すると、だいたい25メートルプール3枚分あたりで1トン!
しかも、ミミズは固い土を呑み込んで、体内を通り、出るときには団粒構造(だんりゅうこうぞう)のフワフワの土にしてくれるそうです。
 
 
2024年6月15日 月田商店 月田瑞志